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民法の未成年者の規定

2016.06.15 正原 大嗣

弁護士の正原です。
 
先日,大学に講義へ行かせていただきました。
消費者問題に関するテーマで,複数の弁護士が2回ずつ担当するものでした。
私が,担当したのは,消費者金融や多重債務に関する問題についてでした。
受講生のアンケートを読むと,概ね講義の内容は理解していただけたのではないかと思います。
受講生は,1年次生が多かったので,未成年者の方が多かったのではないかと思います。
 
さて,現在,民法上の成年の規定について改正の動きがあります。
 
今の民法は,「年齢20歳をもって,成年とする。」規定されています(民法4条)。
つまり,19歳以下の人は,未成年者となります。
未成年者は,未成年者取消権(民法5条2項)などが与えられているなど,法的に保護されています。
未成年者取消権とは,未成年者が法定代理人の同意を得ずに法律行為を行った場合に,一部の例外的な場合(民法5条1項ただし書きなど)を除いて,法律行為を取り消すことができるというものです。
 
この成年とする年齢を18歳に引き下げるという議論がされています。
 
これは,日本国憲法の改正手続に関する法律の附則第3条1項に「満一八年以上満二十年未満の者が年齢を定める公職選挙法,成年年齢を定める民法その他の法令の規定について検討を加え,必要な法制上の措置を講ずるものとする。」と定められたことをきっかけとして,法制審議会で検討され,2009年の最終報告書においては,民法の成年年齢を18歳に引き下げるのが適当であると結論づけられたことによるものです。ただ,その最終報告書によると成年年齢引下げの時期については,若者の消費者被害の拡大のおそれなどの問題に対する施策の効果などを踏まえて,国会の判断にゆだねるのが相当であるとされています。
 
平成28年6月19日,18歳以上の人で所定の要件を充たす人が選挙権を有するとする公職選挙法が施行されます。
 
実際に18歳以上の人が選挙権を行使する機会を与えられたことでどのような影響があるのか,その結果も踏まえて,民法の成年年齢の引き下げについて検討していく必要があると思います。
 
今後の民法の改正動向に注目していく必要がありそうです。