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相続法の改正について(その2:自筆証書遺言の方式緩和)

2019.04.12 谷井 智

今回は,相続法改正のうち,既に本年1月13日から施行されている自筆証書遺言の方式緩和について,改正ポイントを説明させて頂きます。
 
遺言制度は,遺言者の意思を尊重するもので,例えば,生前,自らに尽くしてくれた人へ報いたいという思いを実現するものです。今回の相続法改正で居住権等が認められることになった「配偶者」はあくまで法律上の配偶者(戸籍上の届出がされている配偶者)ですので,内縁配偶者や同性パートナーに報いるには,遺言を活用することが考えられます。一方,遺言がどの程度活用されているかについては,平成27年のデータによると,自筆証書遺言の家庭裁判所の検認件数は死亡者の1.3%程度,公正証書の作成件数は死亡者の8.6%程度にすぎないとのことで,遺言を活用しやすくする方策が検討されました。
 
これまで自筆証書遺言は全文を自署(手書き)する必要があったのですが,遺言書を作成する人は高齢者が多いでしょうから,とくに不動産や預金が多くある方にとっては,作成のご負担が大きかったものと思われます。今回の改正では,本文は自署が必要ですが,財産目録(相続の対象となる財産の一覧表のことです)はパソコンでご本人や周囲の方に作成してもらったものを用いることや銀行通帳のコピー・不動産の登記事項証明書等を目録として添付することで代用できるようになりました。ただし,偽造や変造を防止するために,財産目録にもページごと(両面印刷の場合は両面とも)に署名と押印が必要です。
 
なお,遺言に関しては,今回の改正で法務局による自署証書遺言の保管制度が創設されましたが,これは法務局での体制整備に時間を要することから,施行日は2020年7月10日となっております。
 
 
当事務所では,遺言作成に関するアドバイスにも力を入れておりますので,お気軽にお問い合わせください。
 
 

相続法の改正について(その1:施行日等)

2019.04.02 谷井 智

先般,公益財団法人日弁連法務研究財団主催の中国地区研修会「変わる家族法‐改正相続法と特別養子・嫡出推定制度の見直しを理解する」でパネリストを務めさせて頂きました。
 
同研修会では,第196回国会において成立した「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」(遺言書保管法)に関するものと,現在見直しが進められている特別養子・嫡出推定制度の議論状況に関する講演とシンポジウムが約3時間行われたのですが,改正の範囲が広いため,パネリストとしてはもっと時間が欲しいと感じました。
 
相続法の改正は,遺言制度に関する見直し部分については既に施行されており,今後も以下のスケジュールで施行されることになっています。
 
2019年1月13日 自筆証書遺言の方式緩和(改正民法968条)
2019年7月 1日 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規程,同法903条)
           遺産分割前の払戻し制度の創設等(同法909条の2)
           遺産分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲
           (同法906条の2)
           遺言執行者の権限の明確化(同法1007条,1012条~1016条)
           遺留分制度に関する見直し(同法1042条~1049条)
           相続の効力等に関する見直し(同法899条の2)
           相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
                               (同法1050条,改正家事事件手続法216条の2~216条の5)
2020年4月 1日 配偶者短期居住権の新設(改正民法1037条~1041条)
           配偶者居住権の新設(同法1028条~1036条)
2020年7月10日 法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設
                               (遺言書保管法)           
 
重要な改正が行われておりますので,何回かに分けて改正ポイントをお伝えしたいと思います。 
 

事業承継支援

2018.02.27 谷井 智

平成30年度税制改正で,事業承継税制の改正が行われ,非上場株式等に係る贈与税・相続税の納税猶予制度の適用要件が10年間の特例措置として大幅に緩和されることになりました。
 
平成20年に「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が制定され,中小企業の経営者の世代交代に際しての納税猶予制度や民法の遺留分に関する特例,金融支援などの対策がとられることになりました。しかし,全国的にみてもまだ事業承継への取り組みをされている中小企業の数は限られており,取り組みされていなかったゆえに相続トラブルに発展したケースや廃業を選択せざるを得なかったケースも見受けられます。
つい先送りしがちな後継者問題ですが,技術や雇用を守り,継続的に事業を発展させていくためには,早期の対策が必要であり,本年度の税制改正は,事業承継への取り組みをはじめるよい機会ではないでしょうか。
 
当事務所では,事業承継支援にも力を入れておりますので,お気軽にお問い合わせください。
 

不当要求(悪質クレーマー)対策について

2016.07.01 谷井 智

 先般,公益財団法人暴力追放広島県民会議が実施されている「不当要求防止責任者講習」で講師を務めさせて頂きました。
 
 本講演は,暴力団対策法に基づいて各事業所の不当要求防止責任者の方に,暴力団等からの不当要求を防止するために必要な対応要領を学んで頂く場で,私が広島弁護士会の民事介入暴力問題対策委員会の幹事を務めていることもあり,講師をさせて頂いております。
 
 クレーム対応には,企業のためになる意見をお聞きする場でもある一方,一般には到底認められないような過大な要求(=不当要求)に発展する場合もあり,現場対応には事前に対応方法を習得しておくことも不可欠ですし,明らかにプロの手口であるなど,現場では対応できない場合には,いち早く弁護士等の専門家に相談することも重要です。
 
 当事務所では,暴力団や悪質クレーマへの対応にも力を入れていますので,事前の社員研修やトラブルに発展した場合の相談がありましたら,お気軽にお問い合わせ下さい。